劇場鑑賞72本目。
平手友梨奈演じる響の何をしでかすか分からない行動の数々や背後から無表情で近づいたりする描写に恐怖を感じたし黒沢清作品の雰囲気を感じた。
それでも響が人間らしいのは「君の膵臓をたべたい」の浜辺美波のように、月川監督の女優を撮ることの上手さがあったからだと思いました。
作品と作者の関係性、天才と凡人、マスコミと編集者、色々なものに対するアンチテーゼを孕んだ社会派の一面もありながら前述した不気味な演出にコミカルでシュールなシーン、上手く色々なエピソードを組み合わせていてとても面白かったです。
響=平手友梨奈の堂々たる演技に初主演とは思えないそれを感じました。勿論演技派かと言われると頷けないけどかなり需要のある演技だと思います。(演技だけで言うと北川さんのコントみたいな過剰演技の方が観てられなかった感...笑)
主演がアイドルという括りにするのは本当に勿体無い丁寧に描かれたドラマ映画。(エンドロールのスーパーバイザー秋元康には目を瞑りましょう)
圧倒的平手友梨奈だったのは勿論だけどそれも脇を固める天才に振り回されるキャラクター達がいたからこそ。
特にアヤカウィルソンの表情の豊富なバリエーションが響と対比されていてすごく良かったです。
怪作であり快作!