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響 -HIBIKI-のnaitのレビュー・感想・評価

響 -HIBIKI-(2018年製作の映画)
3.9
彗星の如く現れた天才。
概念、常識、空気を読む。
そんなの知ったことか!
我が道をひたすら突き進む主人公。

いやー、楽しかった。
愉快痛快。
ただぶっ壊すからだけではなく、
響なりの確固たるワケがある。

天才がいるとすれば、
天才が大きな太陽であるならば、
必ず影が存在する。
周囲の人間が抱えてる気持ちや
抱えてるモノが浮き彫りになる構成は非常に面白かった。

なんといっても平手友梨奈さん。
よくもまあ見つけてきたよね。
身のこなし、眼力、シーンごとに大きく振れるその雰囲気。
エラい才能が出てきたな。
今後も女優さんとして頑張ってもらいたい。
あとはアヤカ・ウィルソン。
天才の親友にしてサラブレッド。
でも頭悪そうに見えるし、抱えてる闇も実は相当大きい、みたいな絶妙なところ。
実はこちらも相当な難役だったに違いない。パンフレット読んで、ああ〜!パコと魔法の絵本のパコちゃん!とやっと気がついた。
いい女優さんになってくれそう。

天才輝くことで生ずる影の部分を小栗旬、柳楽優弥、北村有起哉など実力派が脇を締めているのも高評価。

惜しいのは北川景子。
どーにも一人浮いちゃってる芝居だったなぁ。役に合ってないというか…。
あとは編集。後半が特にそう感じたけど、話の流れを断ち切って進めてる印象がありましたな。

原作未見ですが、連載中作品の悲しい性と言うべきか。一部のキャラクターが放ったらかしになっちゃうのは仕方ないんでしょうかね…。

でもまあ、邦画にありがちなわかりやすい仕掛けに頼らなかったのに、ここまでパワフルなのは賞賛に値します。
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