顔

億男の顔のネタバレレビュー・内容・結末

億男(2018年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

原作未読です。

この話は落語演目「芝浜」を主題にしている。知っていると九十九が芝浜を話してる時点で早々にオチが読めてしまう。でもオチが読めたとしても知っている方が絶対に面白い。
宝くじで3億円が当たり、親友に持ち逃げされるところから話が始まり、その親友と交流のあるお金持ちな人物が次々と出てきて、それぞれが怪演を広げていくから、面白かった。演者がとてもよい。ストーリーの進行上仕方ないけど、佐藤健対誰かの構造ばかりなのがちょっともったいなくて、みんなでのシーンをもっと見たかった。

ライトなにわか落語ファンなので、高橋一生さんと佐藤健さんのお噺が聞けたことがすっごい嬉しかった。2人ともお噺うまい!!
そして2人でモロッコ旅行。ここで九十九のお金に対する価値観が分かりやすく描かれていて、重要なシーンなんだろう。一男が倒れて目覚めたあとに九十九が言ったことが印象的で、九十九が一男のこと本当に大事な友達と思っていることがよくわかる。そして、お芝居もだけど単純に2人のモロッコ旅行を覗いてるようで良かった。砂漠で落語も最高。ちょっぴり、世界から猫が消えたならを思い出した。

ストーリーに関しては、冒頭に書いた通り「芝浜」。お金によって人は変わる、価値も変わる、お金とは、価値とは、大事なものは、お金で買えないものは、変わらないものは、次々と出てくる役者がそれぞれの形で問いかけてきて、じゃあ自分は、なんて考えてるうちに次の展開に進んでいって、つまりは「考えさせられた」って感想の映画なんだろうな。
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