モンティニーの狼男爵

億男のモンティニーの狼男爵のレビュー・感想・評価

億男(2018年製作の映画)
3.3
原作既読の上鑑賞。

原作が映画プロデューサーの手記に関わらず、川村さんは何も手ぇ付けてないのかな?だとしたら、あの原作は小説として書きたかったのだろうか。。

予告編で意味深な言葉、「お金の正体は見つかったのか?」
金の解釈は人それぞれだろうし、その善し悪しも人によるんだろうけど、ちゃんと自分の中でその考えを固めるには重要な映画。登場してくる「億男(女)」たちが軒並み金に怯んでるように映るのは私だけか。。

原作を読んでるか読んでないかで大分感動ポイント変わりそう。一番自分が好きな一男と万佐子の出会いの話がほんの数十秒にギュッとされてたのは悲しかったなぁ。。あと、落語の『芝浜』知ってると九十九の最後のセリフは、とても深イイ。途切れ途切れやなくて高橋一生の『芝浜』、通しで聞きたかったなぁ。映画の3分の1それで終わりそうやけどwww

ざっくり『芝浜』のあらすじ↓




腕はいいが酒に溺れてサボり気味な魚屋。ある日嫌々妻に叩き起されて向かった魚市場近くの海で大金が入った財布を拾い、家で祝杯と称して酒を飲みまくる。翌朝二日酔いのまま起きるが、大金が見当たらぬ。。妻に聞いても「また馬鹿な夢でも見たんじゃねぇのかい」と言われる始末。酒代の借金で落胆する魚屋だが、これを機に一念発起。断酒し懸命に働いた結果、所帯は安定し、そこで初めて妻に感謝の気持ちを口にする。そこでふっと立った妻が持ってきたのは、あの日、魚屋が拾った財布だった。彼の身を案じ嘘をついた妻に今一度感謝の言葉を口にする魚屋に対し、妻は騙してしまった申し訳なさと、懸命に頑張ってきた彼を労おうと酒を勧める。大晦日の夜、除夜の鐘が鳴り響く中、妻の労いに感謝しおずおずと杯を口元に運ぶ。しかし、ふと、杯を床に置いた魚屋。彼の一言で幕が降りる。
「よそう。また夢になるといけねぇ」