ねんどおにいさん

未来のミライのねんどおにいさんのレビュー・感想・評価

未来のミライ(2018年製作の映画)
1.3
こんなアニメ映画は観てはいけない!ネームバリューと「作家性」という言葉を盾にするアカン映画や!!


「デジモンアドベンチャー ぼくらのウォーゲーム」で全国のちびっ子とアニオタ達にインターネット世界の斬新なビジュアル表現と繊細な描写で大注目を集め、時かけ、サマウォとあれよあれよと有名になった細田守監督の最新作「未来のミライ」であるが、かなり微妙であった。


まずもって登場人物が全員人をイラつかせる性格をしており、主人公くんちゃんは例に漏れず父母もどこかおかしい。
母は常にピリピリして、歩み寄りの姿勢を見せる父に小言ばかり言うし、父は子供を蔑ろに仕事に没頭したりする。
物語の舞台の大半はくんちゃんの家なのでこのイかれた家族のやり取りをひたすら眺める事になる。頭が痛い。


そしてくんちゃんや家族の成長をテーマにしているプロットの割には、その成長というのが突然異世界にトリップしてトラブルを解決する事で「はい問題クリア」といつの間にか成長するのである。「成長する」という結果に繋がる「過程」が余りにも疎かにされすぎている為、観客は置いてけぼりを食らう。
しかもそれがくんちゃん自らが進んで何かをこなして成長するわけではなく、何か理由を付けて脅されたから仕方なくだったり、苦労して試練を乗り越える描写が無さ過ぎるのでカタルシスが皆無。



また突然異世界にトリップしたと思ったら、擬人化した飼い犬からしっぽをぶち抜き、己のケツにぶち込み絶頂して犬に変身するという監督の趣味モロ出しのキモすぎるシーン(ちなみにこのシーンは全く意味が無く伏線にもなっていなければその後の展開に全く影響しない)や、妹のミライちゃんにわき腹を指でつつかれたくんちゃんが、エロアニメよろしく顔を上気させながら「もっとやって…//」とお願いするシーンなんて気持ち悪すぎて映画館を出ようかとすら思ったレベルだった。ちなみにこのシーンも例に漏れずなんの意味もない。なんだこれ。



結局ドラマを見せたいのか異世界の映像を見せたいのか作画を見せたいのか核がブレまくっていて芯が無い。
唯一一本ビンビンにそびえ立つカッチカチの芯が「主人公くんちゃんのポルノ映像集」というヤバい映画である。