見習いサンタ

15時17分、パリ行きの見習いサンタのレビュー・感想・評価

15時17分、パリ行き(2018年製作の映画)
4.4
結論としては…今年イチきました!!

試写会にて鑑賞。

2015年に実際に起きた列車テロ事件の映画化。人間の極限状態における行動を描き出すクリント・イーストウッド監督、オハコの作品。
「ハドソン川の奇跡」に近いと言われればそれまでなのですが、ところがこの作品はそれだけだはない。

この作品、主演の3人を始め、電車に乗り合わせた人達の一部を本人が演じている、おそらく同じ場所で同じ服を着て。

しかも実際のニュース映像と、後から撮った映像を巧みにつなぎ合わせているので、本当にドキュメンタリーを観させられてるように感じます。

これは、クリント・イーストウッド監督は天才ですかね、知ってたけど。

あと、主演のスペンサーとアンソニーはちょっと演技がうますぎる。このまま役者になっても良いのではないか。
いくら本人役で出てるし、セリフに嘘がないからって、こんなにスムーズにいきますかね。もちろん撮影などのスタッフ陣が超一流ってことのおかげでとあると思いますけど。

また、この作品は、事件だけではなく、主演の3人の幼年時代の出会いから、学校での問題、親子間の状況まで丁寧に語られています。
そして、「15時17分、パリ行き」における彼らの行動がなぜできたのか、また、普通の若者が普通に抱いている感覚、これがどのように事件につながって行くのか、特にスペンサーのキリスト教的信仰にも焦点がが当てられている。

そして、普通の若者が本人を演じることによって、観客により一層身近な感覚を与えている。

スペンサーとアレクのお母さんが、終盤フランスで一緒にいるところなんて、涙なしには観られませんよね。

あと個人的には、スペンサーと同様「絶対に負けられない戦い」に負けた男として、最高の生き様を見せていただけて、もうそれだけで満足です。本当に気持ちわかるよ、俺は。

あとは、なんと言ってもあれだけの恐怖体験をした人たちが、フラッシュバックもあるだろうに、同じ場所で当日の再現をしてくれたってことが、クリント・イーストウッド監督にしかなし得ないことでしょうね。
たぶん他の監督には普通は無理でしょうね。
この作品をリアルタイム観れたってことが自分の一生の宝になると思います。

クリント・イーストウッドおそるべし。

世界でいま、一番熱い監督は、クリント・イーストウッドと大林宣彦でしょうね。
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