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15時17分、パリ行きのzaのレビュー・感想・評価

15時17分、パリ行き(2018年製作の映画)
3.5
「起きた事を、ありのまま伝えるということ。」

そのやり方は人によって様々だが、ことイーストウッドに関して言えば、それはもう達人の域に達してしまっているように思える。
まるで剣豪が力を抜いて振りぬいた一筋。極めて余計なものが削られており、技を見せようという意気込みすら感じさせない。しかし確実に鋭く切れてはいるという。
そしてついには筆を選ぶということもしなくなった達人。主演には実際の本人達を起用するという徹底ぶり。もし万が一、演技がめちゃくちゃ下手な人が居たらどうするつもりだったのだろうか…?いや、それも含めて「大いなる運命の流れ」というものが監督には見えていたのかもしれない。

毎度のことながら、イーストウッドの監督作を見ると”信じる”ということを強く意識させられる。その境地に辿りつくにはまだまだ道のりは遠い…精進します。
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