Lavi

15時17分、パリ行きのLaviのレビュー・感想・評価

15時17分、パリ行き(2018年製作の映画)
3.7
実際の出来事を多く撮ってきたクリントイーストウッドが、事件の当事者に再現してもらうという究極のリアル実写。しかも多数の当事者が忠実に事件を再現ということで、予告からすごーく気になってた作品。

映画の8割は、メインのスペンサー、アレク、アンソニーの生い立ちから事件までの旅路。特にスペンサーメインですね。初めは、ん?事件はどうなってんの?あまりに淡々としてるから多少眠くなってしまったけど、全て繋がってて。
事件シーンはラスト数分ですが、緊迫感は半端ない。思わず何度も息を止めてしまう。そして事件前後のスペンサーの言葉が響きますね。感動とは違った、自分でも何だかわからない感情で、涙が出そうになった。


ADDと教師に指摘され、問題ばかり起こしてしまう3人。スペンサーは軍人への憧れや人を救う仕事をと努力をしたものの、パラレスキューには不適合。しかしそこで選んだSEREで学んだファーストエイドが人を救うことに。

旅中にバーで出会った男の薦めがなければアムステルダムに行くこともなく、15:17パリ行きの電車に乗ることもなかった3人。

何気ない理由で一等車に移っていなければ多数の犠牲者が出ていたかもしれない。

人は何かに導かれて今を生きているってことを実感させられました。そして、過去に学んだことや経験は、何一つ無駄なことはないんだと。
スペンサーら3人をはじめ、事件に関わったすべての方々の勇気ある行動は本当に素晴らしく、自分の身にも起こりうるし、自分なら何が出来るかと考えてしまう。

スペンサーは犯人に立ち向かうとき、何も考えてなく、引き金を引いたとき、死んだと思ったという。そこで不発という運命?奇跡?何とも言い難い展開が実際に起こり、多くの人が救われ彼らはヒーローになった。

この事実を、87歳になったイーストウッドが映画化に乗りだし、この非現実的な事実を世の中に知らしめてくれた。それもまた何かに導かれてそうなったわけで。私はこの事件のことは今回の映画で初めて知ったけど、映画化してくれたイーストウッドに感謝。
単なるドキュメントや映画の実写化とは言えない魅力や色々な想いの詰まった作品でしたね。
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