やま

15時17分、パリ行きのやまのレビュー・感想・評価

15時17分、パリ行き(2018年製作の映画)
3.5
事実をありのままに伝えることは難しい。

実際に起きた事件を元に制作された今作。
事件に遭遇した彼らという人物たちを人生から描いて見せていく。

この出来事が大事に至らなかった。
その理由は若者たちの活躍があったからだという印象でしかなかったこの事件。
おそらく人生から描いたのは、この事件の解決は奇跡ではなく必然。そんなことを伝えたかったのでしょうか。

事実は小説よりも奇なりのような巧妙な因果関係(彼には戦う能力もあり、応急処置する知識もあった事実)というのが90分間で感じられた。

しかし彼の人生のプロセスというのは、そんな華やかしいモノではなく失敗と努力の連続。
映画的ドラマチックというものは今作に存在しないのは、彼の人生の事実に完全に基づかれているから。

映画らしい映画を今作に求めてしまうとやはり足りないかなとは思う。(今作はあくまで映画ではなく事実を再現したモノということだから)

「ハドソン川の奇跡」に続く、人生における巧妙な一種の繋がりという奇跡。そんなようなモノが描かれていた傑作であると思います。
やま

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