彗星が地球に傷跡を残す前の世界と後の世界…
彗星による災厄を前後して息子を失った主人公がいるが、彼は家族を失い何がため生きるのか?…とするところが1つテーマだろうか・・・
そして地下と地上…
生存者は地下での生活を余儀なくされたわけだが、彼らはある一定水準を満たせる様にルールを構築した。最低限生きられるように…最低限生活できるように… ルールを絶対とし彼らを守っていた。主人公たちが設備の修繕を請け負っている設定もこれとの兼ね合いだろう。
対し地上はどうだったか。地下におけるルールを守る者など無くそもそもルールなど無く、ただただ暴力が支配する無法地帯。
地下と地上のパートが半々で描かれているが、これは地下という世界と地上という世界における人間の対比を観せたいのだろうか・・・
地上へと難を逃れてからロードムービーの様相を呈すが、彼と共に旅をする者は彼と何ら関わりの無い言わば赤の他人である。助ける義理など無いはずなんだ。そしてそれを咎める人などどこにもいないんだ。しかし彼は執拗に彼女を助けようとするのである。それはなぜなのか?
ここがこの作品で一番問いたいところなのではなかろうか・・・
絶望の中に一筋の希望が見えたか…