すずね

CINEMA FIGHTERSのすずねのネタバレレビュー・内容・結末

CINEMA FIGHTERS(2017年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

〇パラレルワールド
山田孝之に学生役やらせているのにびっくりした。ちょっと無理があるよね?というカットも何回かあったけど、最後まで学生をやり抜いた山田孝之と学生役やらせた河瀨直美監督はすごいと思う。ただ話の流れが一回ではあまり理解できなかった…光の撮り方がとても好きなので、もう一回観て頭の中整理したいなと思いました。最後二人で夕日の中会話しているの良かったな。あの景色も声ももう二度と戻らない、そうあってほしかったと思う過去なのかなと思ったら切なくて凹む。

〇キモチラボの解法
テンポの良い掛け合いが面白かった。最初一瞬ホラーなのかな?!と身構えてしまったけど、そんなことなくていい話だった。ただ感情エキスがどういうものなのかわからないまま終わってしまったのが残念。AKIRAメインの話かと思いきや小林喜日くんメインでちょっと拍子抜け。良い話だったけどありきたりでもあったかな。「君が好きなんだ」はちょっとどうなの…?もっと他にあったのでは…?という気持ち。すべてそこに持っていかんでも。

〇Snowman
一番好きな作品!でも原曲からこの脚本にした監督の頭の中どうなってんの?思いつかなくない?びっくりした……もしやタイトルだけで生み出したわけはないと思うけど、すごい。
自分が運命ものにめちゃめちゃ弱いので刺さりすぎましたほんとうにすきです。膝の上に乗せて超至近距離で会話するのにキスの一つないのも良かった。キスせんのかい!という気持ちにはなった。わたしがおばあちゃんになっても一緒にいてくれる?という深雪の言葉に勿論って返すロクに抱き着いた時の表情が良かったです。そしてコールドスリープから目覚め~ラストまでの流れがとても好き。最後は説明しすぎかな?と思うところもあったけど……もう一回観たい。こういうのに弱い。

〇色のない洋服店
設定は面白いなと思ったんだけど、特に刺さることもなくさらっと流れてしまった印象。設定は面白かったんだけどな…。色が許されていない世界なのにあんなカラフルな布とかどこから手に入れてたんだろう。でも一人の女の子の成長物語として観たらまた違うのかな?とも思ったりします。最後色のついた洋服を着た小さな女の子が手を振ってるカットが良かった。

〇終着の場所
メールじゃなくてこれがラインだったらもっと面白かったなと思った。この作品も結構好き。過去に闇を抱える女と犬系男子の組み合わせに弱い。思い悩む加奈子に「オレ、気にしないから!」と送る俊介が、加奈子の昔の客から送られてきた写真や電話で葛藤するシーン、負けるな~!と応援してしまった。負けたけど。なんだかんだ言って思わせぶりな態度とか取ってきたのは加奈子だし、俊介から別れを告げられて焦る加奈子、もっと早く行動せんかい!と思ったけど、後押しがないと動けないことって往々にしてあるよね…。この二人がしがらみを乗り越えて幸せになればいいけどな。最後電車で俊介の返事が聞こえないの、秒速かな?と思いました。
あと俊介が指輪の小箱取り出したときは、ティファニーブルーの回し者だな!?と思っちゃいましたごめんね。

〇SWAN SONG
一人だけ予算違くない?段違いじゃない?金の掛け方が違う…。
最初のギターを弾く岩田くんがかっこよすぎてそれだけでもうほんとありがとうございます、という感じです。ギターのシーンもっと長くても良かったです(ワガママ)
ウミが知ってるよ!と声を上げた時、ただアサヒに近づきたいだけだったらどうしようと思ったけど、そんなことはくてちょっと安心した。ただチサという女の子はほんとうに存在したのかが気になる。もしかしてチサなんて子は存在しなくて、置いてきてしまった、見捨ててしまった両親の元に向かうための嘘だったらどうしよう…あり得る…。でもアサヒはそんなウミの言動に少なからず救われた部分もあるわけで、もうすぐ終わってしまう世界で手を取り合った二人がどうやって生きていくのか、この後の展開をもうちょっと観てみたかったな。
最後手を差し出したアサヒに対して、自分の手袋もアサヒの手袋も外して、素手で触れ合ったシーン、めっちゃ良くて感動したんだけど、あのシーンアドリブなんですってね。ありがとう桜庭ななみさん素晴らしいアドリブでした。

総括するとなかなか面白かった。もう一回観たい。
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