ぶぅ

人魚の眠る家のぶぅのネタバレレビュー・内容・結末

人魚の眠る家(2018年製作の映画)
3.3

このレビューはネタバレを含みます

受け入れ難い娘の死。僅かな希望にも縋る思い。例えそれが狂気じみて見えたとしても、母は娘と向き合うことに真剣だ。
そうして長い時間をかけて、娘の死を受け入れた。これは善悪の問題ではなく薫子にとって必要な時間(行為)だった、ということ。

臓器提供の選択を迫られるタイミングはかなり残酷。誰かを救えるのは本当に尊いことだと思うけれど、身近な大切な人の死をきちんと受け入れられないまま承諾することは別の苦しみを生むから。

まずは自分が当事者として向き合う死に、正直になること。その感情を大切にすること。臓器提供は偽善で出来る行為ではない。

娘の死を受け入れる過程を機に破綻していた夫婦に再び共有出来る気持ちが戻り、人生の皮肉。
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