あきら

人魚の眠る家のあきらのネタバレレビュー・内容・結末

人魚の眠る家(2018年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

最新技術の闇×行き過ぎの愛
ともに、進むべきとされていながら、進みすぎる事を拒まれる存在。
そこの狭間を描いた作品。

「人間の技術が許される範囲ってものがある。お前はそれを超えてしまった。」
来客が来たら「挨拶」と称して、右手を上げる。
父親がプレゼントを買ってきたら、両手を差し出して受け取り、
「感謝」の意として、にっこり口角を上げる。
脳死をした娘が脊椎への外的電気信号によって起こす「行動」。
意思の介在しない現象に、不気味さを覚え、一線を超えたのではと考えさせられる。

「今すぐみんなを呼びなさい。分からせてやるのよ、瑞穂が生きてるってことを。」
いつか生き返る事を望む、というより、いま生きていることを信じてやまない母。
「お姉ちゃんは死んだ事にした」という息子の発言に発狂する。
「いま、私がこの子を刺したら殺人罪になりますか?」
「もう、生きている死体にしておけないなら、、」
「国に決めてもらいます。生きていたなら人殺し。でも、喜んで刑に服します。
 生きていたってお墨付きをもらえた訳だから。人は2度は死なない」
娘の生存を認めない家族への決死の行動をとる。

、、、、、、
原作を読んでないので、なんともだけど、
テーマは面白いけど期待を超えてこなかった映画だった。

夫に止められ、何とか娘を殺さずに済んだ母が、
意識を取り戻した娘に「いままでありがとう」と最後の挨拶をされる夢を見た直後に、体調悪化。
そして、今まで頑に拒んできた脳死を死と認め、臓器提供を受け入れる。

冒頭で、ボールを庭に投げ入れてしまって、偶然「眠れる人魚」を目撃した
野球少年が、人魚の心臓を移植してもらって走り出すというラストカット。

ちゃんちゃん感が、とてつも無く強くて、がっかりだった。
原作も同じなのかな、、、

母親が娘を刺して終わるくらいの、なにかしらの衝撃の余韻を残して、終わって欲しかった。
あきら

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