いやー重たい重たい。
けど面白い面白い、さすがの原作東野圭吾、
個人的には「容疑者Xの献身」級にいい出来。
「気持ちはわかるけどそれはアカン」的な描き方が多くてね、
娘が意識を取り戻すかもしれない、という微かな奇跡を願うが余り
客観的に見て「狂気」の世界に踏み込んでしまった母親を
篠原涼子が熱演してますわ。
ほんと、病んでる目が怖いのよ。
感情よりも理性で動く西島秀俊に共感せざるを得ない。
人として踏み込んでは行けない領域、ってのは俺もあると思う。
この映画のポイントは、登場人物に「悪人」は全く居ないのよね。
なのに、救われないってのがに、もーやるせなくて悲しくて切なくて。
「子どもをちょっと預かってー」という頼みを気軽に了承するのも怖くなる。
「(おそらく)脳死状態でも、臓器提供の意思が無いと脳死判定が出せない」
という日本の法律。これを知れただけでも、この映画を見た価値はあった。
あと終盤のお誕生日会シーン、
ここは邦画トップクラスの緊迫した空気を堪能できるので必見。
お涙頂戴的なシーンが少し多かった気もするけど
全般を通してみれば中々の傑作。