EDDIE

人魚の眠る家のEDDIEのレビュー・感想・評価

人魚の眠る家(2018年製作の映画)
4.2
この物語の答えに正解はない。

最愛の娘が水難事故により意識不明の昏睡状態に陥る。脳死判定か否か、ドナー提供の意思があるか否か、両親は突然考えもしなかった質問から、その後大きな選択をする。
いや、まぁとにかくテーマが重い。これは母の異常性ととれるか、母の愛情ととれるか、人によって感じ方も変わる映画だろうと思う。
原作を読んでいたため、映画化ではどのように打ち出すのか気になっていたが、いい意味で予想を裏切られた。とにかく涙なしには観られない。
これは昨年観た『ルーム』に近しい感情。多くの人に観てもらいたい一方で、あまりに重く、「自分だったらどうするか?」という問いをされたら即答はできないだろう。だからこそまた観たいという思いにはすぐには駆られなかった。また観るには時間が必要だ。
俳優の演技面では松坂慶子が素晴らしかった。朝ドラ『まんぷく』では、「私は武士の娘です!」が口癖の少々お節介で鬱陶しい役柄ではあるが、この映画の最初の涙はこの方から引き出された。
篠原涼子の迫真の演技にも脱帽。特に終盤の鬼気迫る演技には引き込まれた。
あと、意外にも川栄李奈。この子正直卒業したAKBで一番売れてないですか?他の人の境遇は知らないですが、女優、タレントの枠では一番成功しているように思える。この映画では自分の恋人が徐々に自分の世界しか見えなくなっていく様を切なく、そして強く見守る素晴らしい演技を披露。
原作が良かっただけに、逆にあまり期待せずに行きましたが、本当にいい映画でした。
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