このレビューはネタバレを含みます
明日は我が身。考えされられるシリアスな内容。
何の変哲も無い日に、プールで遊んでいた娘・瑞穂は溺れて脳死をしてしまう。
主婦であり母・薫子と会社経営者であり父・和昌の二人は入学後に離婚する予定であったが、娘の死と向き合う事で、お互いの愛が育まれ、共に人生を歩む決断をする。
自分の娘の死を受け入れられず、脳死判定をせずに自宅介護の選択をした母。
医療系技術開発の会社経営をしながら、娘の死と向き合い、どうしたら娘が助かるか、そして今の植物状態で娘は本当に幸せ
なのか、苦悩する日々が続く父。
身体も意識も動かず、生命装置で動かされている娘。
自分がきちんと見ていなかったと責任を感じ、死を変わってあげたいと思うおばあちゃん。
表向きでは妹の介護をサポートし、慈悲深く付き添っているが、本心は違い、過度な介護の必要性に疑心感を捨てられない姉とその娘。
入学式で動かない瑞穂の状態を見た、入学してくる友達と親に、死んでいるのに生きている振りして散歩していると嫌味を言われ続ける日々に耐えられなくなり、瑞穂は死んだと嘘をつき、その嫌味から逃れ葛藤していた息子。
自ら動く事が出来ない人が動けるようにしたい、人の為になりたいと、人口機器の技術開発チームで精力的に働き、自分が研究している分野を社長に評価され、その技術を社長の娘に試す機会を得て奮闘する社員。
母が包丁を娘に突きつけ、警察を呼び、この子は脳死判定をしていたら、もう死んでいる扱いになるので、私が殺してもいいですよね?と問いかけるシーンは、重く悲しく人の心に突き刺さる名場面。
様々な気持ちが入り混じっているが、誰もが最後は生きたい、生きさせてあげたいと、思えるような結末。