Ryo36NICOLE

ドラゴンボール超 ブロリーのRyo36NICOLEのレビュー・感想・評価

4.0
ここ数年のドラゴンボールリブートには、萎えてるところが多かった。
悟空のキャラ崩壊も、過激なパワーインフレや新キャラの薄さ(デザインや設定)、圧倒的な緊張感の無さ。
一通りは見てきたけど、正直言ってもうどうにでもなれって感覚。

そこに今回のブロリーの映画化は驚いたし、嬉しくもあった。
でも直ぐに気持ちは冷めてしまって、観なくてもいいとすら思ってた。


でもいざ劇場で見始めると不安一変ッ
こんな形でブロリーが生まれ変わるなんて思わなかった。



・とにかく映画として観れた!

今回の劇場版は今までにないくらい緊張感があった。
冒頭の『サイヤ人絶滅の真相とブロリーの生い立ち』は今まで“正式”には描かれてはいない。
しかし今回それがプロローグとして、そして“正史”として描かれる上、物語の発端と因縁が一緒に描かれてる。
DBのストーリーとちゃんと地続きになっているし、むしろ今まであやふやだったバーダックやブロリーの存在を正式に描いてくれて嬉しかった。

しかも最近のBBQ気分・スポーツ観戦感覚なTVシリーズと違って、
暴走するブロリーに対して「これは地球…いや宇宙の危機だ!なんとか食い止めなくちゃいけない!!」っていう切迫感がすごい感じられてストーリーがグイグイ進んでいく。
後半はアクション中心ではあるけど、時折他キャラクターのセリフで話が進むので退屈しないで観ていられる。
物語の必然性って本当に大事だなぁとつくづく思う。。


・ブロリーの描き方が新鮮で良い!

ブロリーのキャラクター作りが想像以上に成立してる。
今回のブロリーは怒りこそするものの、基本は純粋で情のある優しいキャラクターだった。
そもそも自分達にはブロリーに固定観念があった事を思い知らされた。
ブロリーは理性のない殺戮を楽しむモンスターでしかなかった(と思っていたし、実際そう描かれ続けてきた)。
そこに目から鱗と言うか、ブロリーに人間性を持たせることはリブートとして全然アリ。むしろそうしないと映画としてダレるし保たないと思う…

興ざめって言う人もいるだろうけど、ほぼ二次創作キャラのブロリーを正史に乗せる上では、これ以上ないほどうまくいってると思う。


全体的にアクションも今までにないくらいの仕上がり。
(というか今までどんだけ手抜きだったんだと思うくらい…)

悟空が善モノ悪モノでは無く、もはや戦闘狂人と化しているのも
ベジータの「何度でも言ってやる!バカ!バカッ!バカぁああ!!」というセリフでもう納得というか、、本当に狂人なんだなと思い知らさせれ逆にスッキリしました。

今後に繋げる意味でもいい終わり方だった。(あれで殺しちゃあ後味悪いしね)

まぁ何よりブロリーのキャラとしての強さはハンパないとッつくづく思った。
先月みた『ボヘミアン・ラプソディ』のクイーンの音楽に感じたように、ブロリーの"強キャラ感"で大分救われてる部分もあるだろうな。
やっぱ下手な新キャラ出すより、既に存在感の強いブロリーは見る側も安心する。
いきなり力の大会にポッと出しても、ブロリーなら大丈夫って信じられるしね。

途中の選手名アナウンスは邪魔だったな…
Ryo36NICOLE

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