くさむすび

猫は抱くもののくさむすびのネタバレレビュー・内容・結末

猫は抱くもの(2017年製作の映画)
3.3

このレビューはネタバレを含みます

「まあ、人それぞれ」そんなことを感じました。

ストーリーは、10代のころアイドルをやっていて、今は田舎でスーパーのレジ打ち店員をやっている沙織(沢尻エリカ)が自分のことを人間だと思っている猫、良男(吉沢亮)が色々な猫や人と交流する話です。

この映画、驚いたのはほぼ「舞台」の上で話が進んでいきます。たまに普通の街並みが出てきますがそんなのもなれていきます。これ、なるほどなと思ったのが前半、猫の視点から見た人間世界というものが描かれています。舞台上で飛んでくる野球ボールがちょっとでかくなっていたり、キャットフードが大きかったり。「舞台」というのは猫が考える人間の世界。そんな風にも見えてきます。

まあ、いろいろあって元アイドルである沙織、だんだん物語中盤にいろいろなことがあり自身をなくします。「私はアイドルだったけど隅っこだったんだ。」などネガティヴに。でも沙織は後藤保、通称ゴッホ(峯田和伸)という画家の男に、スナックなどに連れていかれ段々心を開いていきます。このゴッホは黄色と黒を使った絵しか描けなかったのですが、ゴッホは沙織と出会うことによって鮮やかな色彩を使い絵を描いていきます。人って何か心を曝け出してくれるものがある。沙織にとったらゴッホや良男や歌や酒。ゴッホにとったら沙織や絵、良男にとったら沙織や他の猫たち。それぞれ曝け出してくれるもの、それは猫にだってある。そんなことを考えました。
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