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エブリデイのrichardのレビュー・感想・評価

エブリデイ(2018年製作の映画)
4.0
人の細胞は変わり続ける。ひょっとしたら何年か後には、自分じゃないだれかになっているかもしれない。人を、その人たらしめるものはなんなのだろう。

最初はこちらをヒヤヒヤさせながらも、じょうずに恋愛をしていくふたり。ちょっと(いやかなり)特殊だけれど、魅力的な恋模様をわたしたちは応援したくなる。し、リアノンの適応能力には感心するし、好きな人の見た目だけでは判断しないところには惹かれる。
それがだんだん、入られた人はどうなるんだろうと思ってなかなかしんどくなるとともに〝A〟の苦悩を知っているわたしたちは、家族をないがしろにしないでと言われる彼の気持ちを察してしまい悲しくなる。彼には家族がいないからさ。それでも家族のいるわたしは、本体の人のことを考える。板挟みだ!どうしたらみんな幸せになれるの……

明日は違う人間だ、という言葉には頷ける。みんなそれと似た面を持っているのだろう。人は変わるし、ただ、変わらない部分もある。
明日は保証されていないのは、わたしたちも同じなのだ。だから。1日1日を最後の自分のように生きよう。1日1日を、新しい自分のように生きよう。そうして1日を終える努力をしようと思った。
映画としての話をすると、案外すんなり残れてしまったのが、おや、となって作品との距離がうまれてしまったところがある。1回くらい難しかった、なんていうふうになってくれれば、あ〜やっぱ難しいか〜、、頑張って〜、と、応援したくなるんだけど、そうはいかなかったために拍子抜けしてしまうんだよね。

でも、アレクサンダーが本当にすごい人なんだな、とは思った。あれはわりと記憶がのこっているよね。彼はきっとそれを面白がりながら受け入れられるんだろう。聡明なところが、そうして滲み出たんだと思う。

最後に新しく入った人が、そのあと画面のどこかにいるんじゃないかとすごく探したが、見つけられなかった。ひょっとしたら、画面の前にいるわたしたちが、こんどはそうなのかもしれない。
愛する人の幸せと、その人を遠くから見守ることだけを望んだ彼の気持ちを思うと、心がぎゅっとなって、立ち上がれない。彼のたましいがどうか、正しい場所に辿り着けることを、祈るしかない。

あとこれは余談ですがレベッカはアレクサンダーのこと好きなんとちゃうかと思うけど、どうなんだろう…

みんなビューティインサイドの話をしているので今度観てみたい。
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