あべきょ

ボーダーライン:ソルジャーズ・デイのあべきょのレビュー・感想・評価

4.0
前作で好演の元検事(デルトロ)を主人公に据えた続編。麻薬カルテルものという点は前作と同じだけど、序盤ではそこに「イスラーム・テロリスト」も相乗りしている点が興味深い。自爆テロを声明で非難する長官はブッシュさながらで、9.11やイラクといった単語が出てるのも、アメリカ視点では麻薬カルテルとの戦争が中東での対テロ戦争と地続き(=並列関係)なんだなと気づかされた。メキシコ国境→ソマリア→ジブチと世界各地に場面が飛ぶのも現代のテロ組織網の国際化を表していて、9.11以降のテロを題材にした作品にはよく見られる展開。対テロ戦争という要素が薄れてドラマ性が高まる中盤以降は、銃撃戦の迫力や緊迫感は前作から残しつつ、主演に格上げされたデルトロの魅力はブーストされた感じ。麻薬王の娘もめちゃくちゃ麻薬王の娘!って感じでビジュアルも演技もハマっていたと思う。前作でエミリーブラントが魅せた知的で凛とした美と殺伐とした戦場とのコントラストとはまた違った良い対比を生み出していたと思う。
あべきょ

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