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ボーダーライン:ソルジャーズ・デイのbucciaのレビュー・感想・評価

3.7
メキシコ麻薬カルテルの闇を描いた『ボーダーライン』の続編。麻薬戦争を背景に、暴力や死と日常が隣り合わせた緊張感ただよう世界が再び戻ってきました。しかし、前作の監督ドゥニ・ヴィルヌーブと撮影ロジャー・ディーキンスの黄金コンビが降板、おどおどしくも緊張感を持たせた音楽を担当したヨハン・ヨハンソンが死去、主役のFBI捜査官ケイトを演じたエミリー・ブラントも今作では登場しないと不安要素もありましたが、安心してください。脚本はテイラー・シェリダンが続投し、とりあえずは一安心。前作ほどの完成度や一般の評価は劣りますが、どちらが好きかと聞かれたら『ボーダーライン ソルジャーズ・デイ』と答えるかな。

エミリー・ブラント降板で主役に抜擢されたベニチオ・デル・トロ演じるアレハンドロ。男も惚れるほど渋い男です。彼なしではもうこの映画はなりたたないといっても過言ではありません。そして、ジョシュ・ブローリン演じるグレイヴァーとの目に見えない深い絆・友情は胸アツすぎます。でも、アレハンドロが主役よりも、前作の立ち位置の方がアレハンドロの不気味さが際立ち魅力的でしたね。今作ではやられっぱなしであんまりいいところがなかったアレハンドロ、次作での活躍を期待します。

三部作などのシリーズものの「2」が個人的には嫌いです。理由を書くときりがないので簡単に言えば、「3」ありきで「2」は単なる「3」のつなぎでしかなく一話完結しないのがとっても嫌なんです。今作も当然次回作がある予定で、ラストはもやもやした終わり方です。アレハンドロの空白の一年に何があったのか。レイエスの娘イザベルはその後どうなったのか。アレハンドロとメキシコの少年ミゲルはどうなっていくのか。次作が気になって仕方がない、はやく続編を観させてください。
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