janome

ボーダーライン:ソルジャーズ・デイのjanomeのレビュー・感想・評価

3.8
率直なところ、評価し難い。
賛否で言えば賛だが…

全体的には良いと思う。
しかし肝心なところが今作では描かれていないため、次作に期待と言ったところが率直な感想。

前半は重厚な作戦の展開や、戦闘場面展開によって非常にスリリングなものとなっておりとても楽しく見らた。

作中にもあった通り、まさに誰が敵かわからない状況の緊迫感はとても良いものであった。

またテキサスで孤立して以降のカメラが、それまで空撮や衛生の映像など俯瞰が多かったのに対し、むしろ煽りのアングルや人の視線の取り方のみになり、テキサスという大地の広大さに不安を感じさせるとても良い撮り方でもあったと思う。
夜のシーンのテキサスの大地は、そのそこはかとなく続く暗闇に飲まれそうになる不安を覚えた。

国境越えのために本来の作戦では減退させることが目的であるはずの不法移民の移送を、手段として使わざるを得なくなるという展開の皮肉さも巧みだったと思う。




しかし終盤の頬が銃弾を貫通するところには違和感を覚えた。

どんなに腕が良い人間が撃ってもあの距離で頬を撃たれたら顔や顎はぐちゃぐちゃになるはず。

しかもそれが1年で話せるまでに回復するというのは…少々無理があるように感じる。

またそれをきっかけにその時の少年をスカウトしに行くというのは…次作で理由を語ることはできるとは思いますが、今作だけではどうしても違和感のある展開に思われる。

またチームが国境前で襲撃されるところも、人質に対するケアが杜撰なように思える。そこはきちんと見ておくなり車から出るなと言うなり…しておけよと…


前作から重厚さや派手さがかなりパワーアップした印象で楽しめましたが、その分前作の切れ味の良さ、良い意味で説明しすぎない描き方というところは、今回は弱かったのかなと思う。
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