「あなたのすべてを愛する」って美しい常套句。でもそれが、松居大悟の手にかかれば、汗臭くて泥臭くて醜い欲望の塊に変わる。松居大悟の描く「愛」はいつでもそうですね。歪んではいないんです。曲がってもいないんです。ねばっこいのに、ありえない方向にまっすぐなんです。
また、「こんなこと、ないない」と言いたくなりつつも、ギリギリ、ワンチャン、もしかしたらこの世のどこかではこんなワンシーンが広がっているのかも、と思わせるマジック。
セジウィックの欲望の三角形ってありますけど、この作品だと五角形ですわな。
それにしても、池松壮亮の演技力はバケモンだな。