AkiyamHirosh

クレイジー・リッチ!のAkiyamHiroshのレビュー・感想・評価

クレイジー・リッチ!(2018年製作の映画)
5.0
もうそろそろ上映終了というところで駆け込みで鑑賞。評判通りすばらしかった!

まずはタイトル通りのクレイジーなリッチさに口があんぐり。そしてそのリッチ家族の脇を固める愛すべきさまざまなキャラクターに笑い。ラスト周辺のセリフが持つ意味を考えてこれはすごいと脱帽。
見事な話運びが非常に気持ちいい作品でした。

アジア人のアジア人によるアジア人のため映画なのだが、ハリウッドで制作した映画なので、アメリカにとっては外国映画ではない(はず)。
それが結果としてアメリカで大ヒットしました。
そのことを知って、
それがどんな意味を持つのか、
などをいろいろと考えた上での評価なので、単純に映画の内容だけではないのかもしれないけれど、やっぱり今年ベスト級の作品なのだと思います。
全アジア人必見な作品だと思う。

アメリカでこれを観た人たちはどう感じたんだろうな。
どっちがメジャーでマイナーなのか、そういうことを考えさせられてしまいました。

アジア人というだけでハナからバカにする西洋人、人を人として対等と見ようとしない彼らを批判するような描写や、
だから自分たちは英語圏の人たちにバカにされるんだと言わんばかりのコントを繰り広げるお父さん(コメディアンの方なのかな?)。
そう言った描写に対してのアジア圏以外の人たちの感想が気になります。

あと最近のロマコメ映画をあまり観てないので傾向がわからないのですが、やはり女性が強い存在として描かれるようになりましたね。
恋をして、事件があって少し離れて、という王道テンプレをなぞるという感じは安定の展開なのですが、それらはすべて主人公の女子がすべて自分で決めて自分で行動しているという点が「プリティ・ウーマン」とかあの頃の感じとは違ってました。

特に、超美人のいとこ夫婦と対比して見せてるあたりは非常にうまいなと。ここは未見の人のために深くは語らないでおきます。

クレイジーなリッチ世界の中で、主人公の旧友も負けないくらいクレイジー、それでいて常識人という相棒にぴったりの存在も良かった。若い久本雅美って感じでしたね。
彼女は観客の心の安定剤としてかなり重要な役割を果たしていると思いました。
あと、太った宮川大輔みたいな人も良かった。

とにかく脇役が最高です。絶妙すぎる。

そして外せないのはミシェル・ヨー演じる、主人公の彼氏の母。ミシェル・ヨーといえば香港カンフーバリバリのまさに強い女性の代表のような人でした。その彼女のセリフがまた良い。
ちょっとした弱さを見せるところも素晴らしかったです。
繰り返しになりますが、彼女のセリフこそ西洋人にどう響いたのか、それを知りたいです。

とにかくいろいろな要素が最高の映画。
最初に書いた通りもう間も無く上映終わってしまいそうですが、ぜひ劇場で!

(そして今年は素晴らしいアジア映画が多い!)
AkiyamHirosh

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