テリー微糖

映画HUGっと!プリキュア♡ふたりはプリキュア オールスターズメモリーズのテリー微糖のネタバレレビュー・内容・結末

4.5

このレビューはネタバレを含みます

前から、レビューの評価の高さが
気になっていて
観てみようかなと思ったところに
偶然にも名画座でやったので

「ハグの日」に鑑賞
(この巡り合わせも偶然)

事前知識は
もちろんゼロ状態

ファーストシーンで
地元(みなとみらい)が出てきて
ビックリしてたら

あまりにオトナ向けの設定に
思わず声が出ました

誰にも使われないで
放置されたせいで
楽しい思い出が無いのが
憎くて悔しいくて悲しいくて
人の思い出を強奪していく
フィルムカメラの化身が
ボスキャラだとっ…

「フィルムカメラ」なんて
平成末期生まれのお子様は
まず存在すら知らんやろ!笑

もう、この設定から
「オトナ泣かせにいきます!」宣言を
かましてきてるので
こちらも身構えるんだけど
それすら超えてきてしまうという…

「モノを大事にしないと
化けて出てくるぞ」っていう
付喪神的な設定に加えて

シングルマザーの子育ての
辛さに寄り添いながら
しかも自分の子供時代を
ノスタルジックに回想させる
設定がついてくる

どんだけオトナ意識してんねん!
と、思ってると…

敵さえも母性で温かく包み込んで
悪霊を成仏させてく
マリア様スタイルの解決策で
ピースフルに解決するときた!

「悪いヤツは徹底的にボコる」
オールドスクールなタイプの
東映特撮アニメにしか縁のない
子供だった自分から成長して

今では
「強さ」と「正義」のインフレは
なんにも解決しないことを
身に染みて理解してきた
いいオッさんになって

いまとなっては
むしろ、こっちの設定が
刺さるようになったことを
痛感しました

男の子も登場するし
同性愛も逃げずに描く
近年の「プリキュア」シリーズの
オトナ路線を
小さなときから学べる
いまの子供が羨ましい…

「ナメたらいかんぜよ!」な
恐ろしい傑作だと思います

惜しむらくは
敵が敵として生きることを
決意するまでの感情の移ろいが
具体的に描写しきれていない点が
否めないことかなと…

ただ、「いい思い出が ”無い”」という
設定から具体的にそれを描くのは
たしかに難しいような気もするので
気にするのは
やっぱり野暮な気もします…

例えばですが
持ち主に粗末にされて
壊されたまま放置されていて
よく見ると
敵の身体の一部が傷ついてるとか
そういう細かな描写を
足していければ
より良かったのかなと思いました。

最後に、少しだけ
ケチをつけてみましたが
そんなのほとんど気になりません

子供向けの可愛い画だと
油断していると
人物への影の乗せ方が
凄く細かく工夫されてたり
作画の芸の細かさなど
リスペクトすべき点が沢山ある
恐るべき作品です

お子さんは
ビジュアルの凄さに
大人の方は
ノスタルジーをエグる設定に

世代や性別違えど
それぞれのライフステージで
それぞれに感じるモノがある
素晴らしい作品だと思います。
テリー微糖

テリー微糖