このレビューはネタバレを含みます
登場人物ひとりひとりが息づいている
最後の治と祥太の別れは悲しいが、あれが、祥太なりの成長。最後「父ちゃん」と呟いただろうところに救いがある
祥太は万引きに対して、まだ誰のものでもないからいいとか、店が潰れければいいとかいうことを大人から教えられていた
しかし、駄菓子屋がつぶれていたと錯覚したこと、また車の窓を破壊して盗もうとしたところで、これまで祥太が築いてきた価値観との相違を覚える
ゆえに妹には万引きをさせていはあけないという思いから、自らが目立つように万引きをして捕まった
のだと思った
理由を描きすぎないが、予想するだけの描写がされているという塩梅が非常にうまい
わかりやすすぎる作品だったらみんなが評価する作品にはなっていなかったと思う