レビューの最後の方で核心にこそ触れていませんが若干ネタバレにかかる要素があるので、読み進める際はご注意ください。
日本社会が抱える闇の数々を上手く一つの題材にまとめ込んで観せた手腕は評価。
俳優陣も日本を代表する屈指のキャスティング。
そうした双方の意味においても今の日本を象徴する出来栄えは、カンヌでのパルムドールという評価を得たことは喜ばしく...
そして、これを字幕で観れる外国人が羨ましい。
と言うのも、正直セリフが聞き取りにくい箇所が多数。
エンドロールでリリーフランキーが一番最初に来るのどうなんだろう?
今回ダントツで良い演技だったのは安藤サクラ。
彼の名は2番目以降で良かったのでは?
そして本物の俳優陣の中にマグレで重宝される怪優の仲間入りを果たしたフランキー氏の演技はどうしても本物の中では霞むと言うかボロが目立つ結果に...
あまり良いと感じられなかったのは気のせいか!?
大絶賛とまでは言えないが、テーマとキャスティングだけで言えば素晴らしい。
似たようなアメリカの貧困層を描いた「フロリダプロジェクト」が失敗している部分を軽く乗り越えて来る演出の妙も評価。
(同じゲップのシーン一つとってもフロリダ...とは雲泥の差)
4.5位つけてもいいよなあ...と思っていたのだが、最後リリーフランキーがバス追いかける所で興ざめ。
あのベタベタなのは本当に要らない。
例えるなら「フィギュアスケートで今まで満点で来てたのに最後の技で着地出来ずに転倒して減点」と言うレベルの大きなマイナスをやらかした感じ...
今からでも遅く無いからあのシーン削ったほうがいいと思うほど、作品の佇まいを一気に安っぽくするシーンだと感じてしまった。
あれさえなければ4.5
P.S.
もっとエグく突っ込んだ表現や描写であっても良かったと思うのだが、そこはフジテレビ制作作品と言うバイアスがかかって、TV放映が問題なく出来るレベルのセンサーシップに留まらざるを得なかった結果か?!
そこもまた残念な大人の事情。
そして自分も含め往々にレビュアーの皆様の感想が長い長い...
それだけ語るに足る濃い作品と言う事。