血縁は呪いだ。そう思っただけで楽になることがある。愛という強制に親も子も縛られているだけなら捨てたっていい。奇妙だし思いっきり違法だけど、この家族にはそういう自由があって自分の選択でしたたかに生きていく強さがあった。もちろん全て美談で終わらせることなんてできない結末があって、私たちはこちら側の人間だったということに気付く瞬間が何故かつらい。
安藤サクラは「ゆとりですがなにか」で大好きになった女優さん。声も顔も佇まいも全部好き。強さ脆さのバランスがどうしようもなく女らしくてたまらなく好きだ。樹木希林はどの映画でも見た目や話し方が似たように見えるのに、その役にきっちりはまってる凄さがある。子役の城桧吏(じょう・かいり)(絶対読めない)くんもすごく良かった。後半、顔が変わるよね。あと池松壮亮の一瞬の衝撃が強い。そして高良健吾と池脇千鶴がまともな役で使われてる贅沢。などなど、主演から脇役に至るまで全ての役者が徹底的に適切に配置されている。という地盤の硬さのようなものが凄かった。
良かったところはたぶん一言にまとめられないし観た人それぞれが全然違う部分に揺さぶられると思う。えも言われぬ衝撃。
