王様のブランチで最後のコメントを振られた是枝監督が言ってたのが、ストーリーやら設定やらではなくて、「俳優さん達の素晴らしい演技で成り立たせて頂いた作品です」だったのが個人的に脳裏に残っていたのだが、(勿論横の安藤サクラとリリーフランキーに気を遣っての発言なのはわかってるが、)
実際に観賞するとこれはたしかに各俳優の名演技を見る作品だと思った。
設定やストーリーは、正直目新しさを感じなく、こんな底辺みたいな家族、実際に足立区あたりに居そうだなあと、見ながら感じていた観客は私だけではないはずだ。
しかし恐らくこの"居そう感"を前半に観客に抱かせるのが本作の狙いだったのかもしれないと、見終わった後から思い知る。
"居そう感"は間違いなく、安藤サクラ、リリーフランキー、松岡茉優、子役達の演技によるものだった。
さらには、生々しい汗や食や性の描写がしつこいほどに重なり、登場人物たちの生を色濃いものにしていた。
いるわーいるわー、と思ってたら、急に登場人物の目線オンのピンショットになる。
そこで語られることが恐らく本作の山場の一つなんだと思う。
(にも関わらず、座席を何度も蹴ったり喉を鳴らしたり連れとボソボソ何度も喋ったりするおじさんに全てが邪魔された。苦笑
TOHO日比谷の本体側にはもう二度と行かないと決めつつ、自分もそういうおじさんにならないようにしようと決意した。笑
結果、作品の中身は私には何にも残らなかった。本当に悔しい。)
