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万引き家族のsのネタバレレビュー・内容・結末

万引き家族(2018年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

パルムドールをとったことから興味を持って鑑賞。平日昼間の映画館に満員の客。さすが。


是枝監督の作品は海街diaryしか観たことない気がするけど、そのとき感じた通り、大きな事件や泣かせるような演出があるわけでもなく、あくまで日常を淡々と描く作風だったと思う。
その中で感情の移り変わりを静かに描くのが上手いと思うし、そういう映画が好き。

前半はその通り、「家族」の日常をただただ描いている。
この描写で終わるのかな?と思ったところで大きな転換点があり。
海街diaryしか観てなかったので、結構そこが意外だった。



貧乏な生活をだいぶ丁寧に描いていたせいで、前半は、絶対にこんなくそ貧乏な生活は送りたくないしまじで無理。っていう感想しかなかった。
口の悪さとか部屋の狭さ汚さ、服装から滲み出る金のなさ(松岡茉優の服装が絶妙)。私立に長く通ったせいで貧乏人と接点がなくてまじ良かった!!!両親に感謝!!!とか思った。呑気な感想。


後半の転換点あとには個々の背景が描かれて、なんか、生まれる家は選べないし、一度貧困になったら抜け出せないし、悪い人たちじゃないんだよなあ。と思った。

とはいえあの夫婦がやってることは明らかに犯罪だし狂ってる。
金は恐ろしい。



DVや貧困や幼児虐待や非正規雇用とか社会問題的なテーマを多く抱えているのに、社会に提言するようなメッセージ性が無いところが逆に良い。明らかに問題提起するのも好きだけど。



結局救ってくれるのは学力だけで、しょうたが本好きで自分から学びに楽しさを見出して、真っ当な心を持っていたことが救い。彼はまっすぐに生きていけるけど。
りんの方は。。

曖昧に終わるのもまあ好きです。
いろいろ考えさせられるね。



大きな衝撃はないけど静かに考えさせられるいい映画。
リアルすぎて役者を意識できないほど、素晴らしい演技ばかりでした。
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