ねきろむ

万引き家族のねきろむのレビュー・感想・評価

万引き家族(2018年製作の映画)
4.0
小さな嘘で大きなを隠す。
大きすぎる嘘が小さな嘘で隠しきれなくなったとき、家族という器の小さな亀裂から真実が溢れ出し本当の姿になる。


大きな嘘は家族の真実。
小さな嘘は家族という器。
だと自分は思ってます。

『万引き』家族というぐらいなのでメインテーマの万引きは家族総出のことだと思っていたのですが実際にやってたのは翔太だけ。と最初は思ってました。

万引き家族。
言い換えると家族ぐるみの万引き。

見終わった頃、全てを知った頃。
冷静に思い返してみると確かに家族ぐるみで万引きは行われてました。

誰かが誰かの物を奪う。
それがもう万引きです。

『家族は何を持って家族とするか』
という大きな投げかけに対して彼らの答えは。結局答えたのは1人だけでしたが家での生活ぶりを見てるとなんとなくわかるような気がします。

なんとなくわかった上で結末を見ると悲しいようで納得してしまうような気もします。

家族という器に入れただけじゃ家族にはなれない。家族になろうとするほど遠ざかり、考えてない時ほど家族らしい。

不思議と美しく見えてしまうのが悲しい。
そしてとても気持ち悪い話。

タイトルが他にあるとするなら
ドン引き家族と名付けたい。
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