もなおさん

万引き家族のもなおさんのレビュー・感想・評価

万引き家族(2018年製作の映画)
3.5
最初はちょっと違和感のある家族だと思っていたら最後で明らかになる事実に、そうだったのかと納得。
信代の「捨てたんじゃない、拾ったんだ。捨てた人は他にいるんじゃないか。」という台詞が印象的で、改めて思うと、この家族を構成している人達は血の繋がった家族に何らかの形で捨てられた存在で、それぞれに孤独を抱えているように感じた。血が繋がってなくても、貧乏でも、家族としていることで彼らはこれまで得られなかった事を得ていたのだと思う。ただ、それが社会に明るみに出ると、年金を不正に受け取った事や死体遺棄、誘拐として報道され、社会にとっての家族と彼らにとっての家族の温度差に胸が締め付けられそうになる。

亜紀のお金で繋がってるんじゃないかという言葉や、祥太の僕を置いて逃げようとしたのと問うシーン、血の繋がった家族に戻されたりんがまた一人で遊んでいるシーンなど、台詞やシーン一つ一つに沢山のことを考えさせられる。

俳優さんの演技はどれも見事なのだけど、安藤サクラさんの警察官に問われて涙を流すシーンはグッときた。