長い映画だった。長く感じた、という方が正しい。作品全体に漂う空気感は同監督の『誰も知らない』を彷彿とさせた。
重たいストーリー。大人たちはみんな自分のことしか考えていないように見えて、なぜかそこには確かな愛が見える。何が幸せなのか考えさせられた。
細やかな表現を支えていたのが演者の高い演技力。子役と女性陣の演技が素晴らしい。安藤サクラは汚れた役を演じさせたらピカイチ。終盤の尋問のシーンでこの人まじですごいなと思った。樹木希林もバケモン。海での家族を見守る表情は驚異的。
それにしても松岡茉優。こんなに演技が上手いとは知らなかった。他の作品も見てみたい。もちろんおっぱいも良かった。
この作品には原作がないらしい。漫画や小説の実写化が多い最近だけど、本来映画っていうのは小説や絵画とかと同列で、創作の表現技法であるのが本来の姿なんじゃないかと。それを思い出させてくれた。
