Hiro

続・拝啓天皇陛下様のHiroのレビュー・感想・評価

続・拝啓天皇陛下様(1964年製作の映画)
2.5
『日本は負けても、天皇陛下は負けてはおらん』
玉音放送を聴いても尚、信じられない主人公。
無法松にも似た不器用かつ、純粋な善助の生き様を描いた本作品。

今の日本人は何を信じて生きているのだろうか?
信じるものが無くても生きていけるほど、平和になったのだろうか?それともヤケになっているのか?

なんにせよ、自分に期待し、自分を信じていきたいものである。

ストーリー
貧しさから、拾った魚を食べた一家と死別した善助は、誰の愛情も受けずに育った。何の特長もない善助だが、極端な天皇びいきは、彼の全精神を支配していた。18歳の時、ふとしたはずみで、憧れた女子先生に抱きつき少年院送りとなり、懲役をすまして帰って来た善助は、今は汚わい屋をして暮していた。狐独な善助に、中国人王万林夫婦だけが唯一の友人だった。そんな善助のもとにも、支那事変の召集令状が舞いこんだ。どんな人間も平等な軍隊こそ、彼がもっとも好む所であった。勇躍入隊した善助は、北京長辛店にまわされ民間からの献納犬春友号の飼育係となった。この犬は実は、元宮家久留宮ヤエノから送られたものであった。善助の天皇びいきは、ヤエノ夫人尊敬の念から、恋慕へと変わっていったが、昭和20年8月、ついに終戦をむかえた。善助も荒廃した日本に帰って来た。寄る辺ない善助は春友号の首輪を持って京都のヤエノ夫人を尋ねた。想像通り、高貴で美しい夫人に、善助は何かと、物資を配慮した。カツギ屋、ヤミ屋、バタ屋と身を粉にして働くのもヤエノ夫人への献身ゆえだった。そして、石ケンを手に入れようとMPと喧嘩して沖縄に送られた善助を待っていたのは、ヤエノ夫人の夫良介が復員して帰って来るというニュースだった…。
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