通りすがりのいがぐり

劇場版 幼女戦記の通りすがりのいがぐりのレビュー・感想・評価

劇場版 幼女戦記(2019年製作の映画)
4.3
善悪の壮絶な戦いをあえて描かない戦争映画ほど観てて楽しいものはない。戦争映画では必ず主人公が(どのような形でも・どのような残虐行為をしでかしても)中心的な善(力)となりそれに相対するもの全てが悪になる、という印象が必ずどこかに残っているし、英雄譚的な話になっているのも数多い。
しかし、ここにあるのは善悪はない。
業務だ。戦争と言う名の業務だ。
そして、この劇場版はそんな業務としての殺しと個人的な憎しみの殺しが運命的なぶつかり合う。
どちらも善であり悪である。
自分は善のためにと思おうが、相手からしたら悪そのもの。
そこに個人の意思なんて関係ない事をハッキリと残酷に思い知らせる。
作中のブラックジョークで笑わせてもらったが、今作で描かれている「戦争とは何か?」「戦争映画だとよく描かれる○○の為に!は正しいの?それとも馬鹿のやる事?」の答えの面白さは国辱もなく不真面目さもなく至って真面目な答え。
テレビシリーズから続く因果関係もさらに深くなった。今後が楽しみだ。