ユウサク

ロング・ショット 僕と彼女のありえない恋のユウサクのレビュー・感想・評価

1.5
女性の方が地位が高くて男性の方がそうでもないラブコメが無いのは理解できるしこの作品が作られただけで意義があると思う。
しかしその他の点に全く魅力がない、どころか不快な点が多々目立つ。
まず全編に漂う傲慢なアメリカ仕草。環境問題はアメリカにしか解決できないしアジアや中東は環境に配慮せず争ってばかりの「未熟な」国としか描かれていなくてほとほと飽きれる。フィリピンのシーンではイエローフィルターをイジるような演出があるけどアメリカはああいう表現をいじっていい立場ではない。そして内戦はただお前らがイチャイチャするための舞台設定ではなく実際に人が死んでいる。よりによってアメリカ映画がこんなことするかね。てか政治家の役で好き勝手やられてもムカつくだけ。真面目にやれ。現実に国務長官がハイになってて緊急事態にやるべき仕事ができてなかったら非難轟々でしょ。なんで映画の中の展開だったらそれをヘラヘラ見てられるのか。
そして脚本の拙さ。シャーロットがフレッドに惚れる理由は「スマートだから」と言葉で表現されていたがそれが具体的に示されるシーンが全くないままいつのまにか惚れているので男に都合良い脚本としか思えない。会話の端々にそのスマートさが散らしてあった?だとしたら不十分だと思う。そもそもシャーロットはカナダ首相といい感じであると報道されることを狙っていたのにあの秘書たちがフレッドとべたべた一緒に行動するのを許すはずがない。序盤では串を食べるのを写真に撮られることすら危惧していたのに。一貫性がない。破局の危機もどこかから降って湧いてきた動画のリークでストーリーと全く有機的に絡んでない。単に下手。
極めつけはギャグのつまらなさ。セス・ローゲンやシャーリーズ・セロンを透かして見ないと意味ないような浅はかで中学生みたいな下ネタだけ。邦画コメディみたい。セス・ローゲンと大麻・ドラッグが絡むだけで私生活がチラついて鼻につくし、アンディ・サーキスが特殊メイクするのも意味不明。ボブ・オデンカークもなんか中途半端だし大統領が任期中にテレビドラマにしっかり役を持って出演することなんかある?リアリティがなくてちゃんと見る気がなくなった。コメディだからちゃんと見なくていいなんてことはないし、ちゃんと作らなくていいなんてこともない。

他にも思いっきりマジカルニグロとか無駄なシーンが多くてランタイムが長いとかセス・ローゲンは単に演技が下手じゃないかとか。『グリーン・ホーネット』の時の印象がめちゃくちゃ悪いんだよな、セス・ローゲン。
ユウサク

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