子供の頃にテレビで流れていたのを何気なしに観て何故かとても印象に残っていた映画。30年近く前に作られた映画なのに、いま改めて観ても色褪せない。Paris PalomaのLabour(2023)という曲を想起させた。
近年の、主張や思想ばかりが先行し、人物が記号化され、男女を断絶するようなフェミニズム映画よりも、やっぱり自分はこの時代の女性映画が好き。社会に根付いたストーリー、等身大な人物、それぞれの立場や感情がもっとナチュラルに、それでいて切実に描かれている。
この映画には、どんなに気丈に生きても人生が必ずしも報われる訳ではないという現実的な残酷さはあるが、それを過度に悲観してる訳でもなく、からりと乾いた視線で描いているところもまた良い。
