Machiko

食べる女のMachikoのレビュー・感想・評価

食べる女(2018年製作の映画)
5.0
今年、いや今まで生きてきたなかで五本の指に入るかもしれん。
私は基本「スケアクロウ」「明日に向って撃て!」などアメリカン・ニューシネマ作品や、邦画だったら「苦役列車」「そこのみにて光輝く」みたいな、暗め重め、でもほんとに辛い時に寄り添ってくれるような作品が好きなんですが、この作品はこれから生きていくなかで、嬉しいとき、辛いとき、その他人生のどんな時にでも寄り添ってくれそうな気がします。
どの女優さんもほんとに皆自然に作品の中に溶け込んで息をしていて、なんだかまるで(すごく陳腐な言い方になってしまうけれど)家族や友人みたいに親しく感じられました。
起承転結のないふわっとした脚本も、心に突き刺さるというより、心をそっと暖かく包み込んでくれる感じがして、その優しさにほろりと涙が出ました。
人生のどんな時も、誰しもが必ずなにかを食べる。そして、今日や、その先の明日を生きていく。そのことを希望いっぱいに描いてくれたこの映画は、私にとってすごく大切な宝物です。
制作に関わった全ての人に、ありがとうございました。
Machiko

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