たく

天才作家の妻 -40年目の真実-のたくのレビュー・感想・評価

3.5
邦題がほとんどネタバレしてる通り、天才作家の作品を実は妻が書いてたんじゃないか?っていう話が「ビッグ・アイズ」に似てる。
でも創作の欺瞞を暴くよりは、夫婦の特別な絆の方に軸足を置いててなんとも不思議な後味だった。

冒頭から夫のジョゼフの好色漢っぷりを見せつつ、妻のジョーンが見るからに内助の功って感じに慎ましくしてるんだよね。
ジョゼフが妻に深い愛情を持ってるのが分かる一方で、息子と折り合いが悪かったり妻に対する自己中心的な言動とかイライラさせられる。こんな男になんで寄り添ってるんだろう?って思いながら見ていくんだけど、はっきりした理由はなくて、純粋な愛なんだよね。愛は見返りを求めないんだと。でも奥さんが最後の方でついにキレて、さあいよいよか?ってところである事が起こり、最後は絆を確認し合う感じで終わる。

グレン・クローズの感情を抑えたとこから爆発させるまでの演技の幅が良かった。
ジョナサン・プライスも、わがままな夫っぷりから授賞式でのなんともバツの悪そうなお辞儀とか上手かったね。
調べたら、世間的にジョナサン・プライスの代表作は「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズってことになってるのね。自分は同作を一つも観てないので全くピンとこず、未だに「未来世紀ブラジル」が彼の代表作という認識。
たく

たく