天才作家の妻 -40 年目の真実-の作品情報・感想・評価

「天才作家の妻 -40 年目の真実-」に投稿された感想・評価

yugyug

yugyugの感想・評価

4.4
「実は夫が主夫として支えた。」という内容のレビューがあったが、言い得ている様でまるで違うだろう。なぜならば、妻が優れた作品を書き続けられたのは、家事や育児といった問題とほとんど関係がないからである。優れた作品が生まれたのは、妻の能力だけではなく、この夫こそがいなければ成し得なかったからであり、それは作品の着想や独創性が、必ず夫が関係していたからである。
原題である『“THE” WIFE』は、まさにこの夫婦の特別な共存関係を強調する。女流作家が認められない不遇の時代背景や、度重なる夫の浮気といった、「その」妻の波乱な人生だったからこそ、生きた葛藤を題材に、ノーベル文学賞に値する数奇な作品を作り上げられたのだろう。
劇中で、「本は読まれないと意味がないわ。」と、ある女流作家は言った。確かに、優れている本は恐らく世界中に存在するのだろうが、すべてがノーベル文学賞を受賞できるわけではない。まず多くの人に読まれ評価されずには、選ばれることはできない。それに加え世界情勢や政治的要因を含め幾つものタイミングが重ならないとならないだろう。そう考えると、まず読まれるために妻が夫の名義で執筆したことがうまく働いたのだろうし、その先にも、彼らの作品が広く読まれ愛され、選ばれていくまで、二人だけの長い物語がきっと作用している。
ラストの飛行機の中のシーンで、妻が「夫の名誉を傷つけるならば訴える。」と伝記作家に言ったセリフは、まさに夫が授賞式で妻を讃えたスピーチと相互関係にある。この物語は「妻」であり「夫」であった、二人の作家活動なのであったと思う。
完全に、邦題のミスリードにやられてしまった。
かなり最後の方まで、ゴーストライターである妻:ジョーン(グレン・クローズ)に感情移入して観ていた。
糟糠の妻のジョーン。苦労したんだねー。

いや待て。
ジョーンが小説を書いてる間、
家事や子育て(専業主夫)をしたのは夫だ。

本作は、
専業主婦で夫を支えた妻が、
夫の退職後に氾濫を起こす
『山田洋次監督作のトリッキーバージョン』だと思えばいい。

上記したように、実質的な糟糠の妻は夫であるジョナサンである。
まさに専業主夫で、才能ある妻が小説を書くのを影で支えていた。

山田洋次監督作品なら、
妻は「離婚します」と出て行くが、
本作では
「家事や子育ての仕事(専業主婦)は大変であり素晴らしい。
ノーベル賞もんだ!」と言っている。
陰で支えている妻の仕事こそ、
「ノーベル賞」もんだというのだ。

だって主婦は9時~5時の仕事じゃない。
24時間だ。
土日はない。
だからこそジョーンに「私は1日8時間書き続けた」と、
わざわざ「8時間」と言わせてるんだよね。
夫はそれ以上の時間を、家事や子育てにあててるぞ!と。

だからグレン・クローズに感情移入して
夫ひでーってなってる人がいたら、
それは、外に出て8時間働く夫を評価して、
家事や育児(専業主婦)をし、夫を家庭を支える妻を軽んじている人だ。
となる。

そんな発想なかった!
なんて巧い脚本だ!
「秘密」

人間誰しも秘密を持っているもの。

秘密のために嘘をつき、嘘のために更なる嘘をつき、秘密がもう人には言えなくなるくらいに大きくなってしまう。嘘を塗り重ねて辻褄が合わなくなってきた時に見えてくるのが、その人の本質なのかも。

人間正直に生きるのが一番だとは分かっているけれど、たまには秘密を持って、嘘だってついちゃう。だって人間だもの。。。
KMD

KMDの感想・評価

3.6
正に複雑な女と愛の物語。これはグレン・クローズに主演女優賞あげるべきだったと思わざるを得ない怪演。男としては旦那の気持ちはやや汲み取れるが、バカ息子だけは好きになれない。
『天才作家の妻』特別試写にて鑑賞。

天才作家と評される夫とゴーストライターの妻…ノーベル賞受賞から2人のバランスが崩れはじめる。

愛も確かにあったがもう許せない…妻の心の機微を見事演じたグレン・ローズ様の迫力!
ラストそれの驚き(笑)
いま「ゲーム・オブ・スローンズ」を見てるので、ジョナサン・プライスの芸達者に驚く。
唯

唯の感想・評価

3.3
熟年夫婦ものとあって、説得力と重厚感とを持って様々な教訓を(反面教師的に)授けてくれる。

まず、自らの人生を、自分だけの人生としてきちんと生きて行かないと、その先には後悔しか残らない。
妻・ジョーの場合は確かに、女性が地位を獲得するのは困難な時代に生まれてしまったかもしれない。
だが、自分自身に納得して日々を過ごしていないと、結局いつかは破綻してしまう。耐えられなくなってしまう(ジョーンが長年に亘って醸成した不満の粘着度たるや!)。
恋の成就や淋しさの紛らせと引き換えに闘うことを諦めた彼女の決断は、若気の至りでもあっただろう。
男の身勝手や嫉妬により、あらゆる女性の感性や才能が潰されて来たかと思うと、居た堪れない気持ちになる。

それにしても、ウイットに富んだ会話をこなす聡明な妻に比べ、男どものとんでもないこと!
真に妻を愛しているとは到底言い難い夫・ジョーはもちろん、推定三十路過ぎながら反抗期真っ盛りのこじらせ息子・デイビッドもまたイタイ。
成功者や幸福者の存在には、身内だからこそ嫉妬するものだけれど。

人間とは、何より変化を恐れる生き物であり、安寧な日常を簡単には変えられない。
しかしながら、子どもも独立して背負うべきものから解放された時、自由を獲得するべく変化に踏み切るという発想は至極当然で、熟年離婚の正当性を感じてしまった。
互いの本音が解らないことが一番怖いが、夫婦とはそんなものなのだろうなあ。

ジョーは最後まで狡い男であったし、自身としてではなく妻としての尊厳や誇りを手放せなかったジョーも、ある意味では滑稽かもしれない。
人間、幾つになっても大人にはなれないね。
4

4の感想・評価

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短時間の間に全てが崩れる。
特別な絆で繋がっていた二人は、一度崩れたら取り返しがつかない。この映画の結末は秘密が崩れたことによる必然的な帰結だ。
ベッドで飛び跳ねて二人喜ぶ姿は変わらずとも、時間による関係の変化は避けられない。
男の権力と女の権力。男から権力を奪ったほうが、男女の関係は上手くいくのかもしれない。
にけ

にけの感想・評価

3.5
グレンクロース、この映画でアカデミー賞取ってもらいたかったなあ
kaicho

kaichoの感想・評価

3.8
2019-40
グレングロースの演技を観たくて。
表情での演技だけでなく、感情を爆発させる演技もできる女優さん。
世の男性はどんな思いでこの映画を観ているのかなあ〜と思うほど、”the wife”とシンクロしてしまった。
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