Fsuke

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッドのFsukeのレビュー・感想・評価

4.0
むかしむかしあるところに、落ち目の俳優とそれを支えるスタントマンがいた。
そして、ある女優とその友人達がいた。

俳優として熟れたブラピとディカプリオが、60年代ハリウッドを舞台に共演しているってだけで熱い。
ブラピはまだまだカッコ良い。
あんなカッコ良くタバコ吸えるか?
ワンコ大活躍。
この時代から失われたはずだった者達が出会って映画は幕を降ろす。

タランティーノはイングロリアス・バスターズから史実をベースにしていて、そのどれもが歴史を捻じ曲げている。
フィクションの力で復讐を果たしたり、何かを救おうとしている。
人の何倍も映画というフィクションを見てきて、その力を信じていて、愛しているが故なんだろう。

でも個人的には今作でこのやり方を見て、タランティーノがやりやがったみたいな盛り上がり方をするのは、それはそれで怖いなって思う。
ロマンポランスキーに何も相談せず作られたみたいだし、本人のコメントはないけど現妻には批判されてた。
まぁポランスキー自身また別の問題もある人だからかもしれないけどね。
扱う題材故のピーキーさも無視してはいけないかなと思った。

この映画を見直したのは、話題の「ルックバック」を読んだからで、あれに関しても直接触れずとも素晴らしい作品として成立しているのに、その一点で熱を帯びた感想を見て違和感を感じた。

それでこんな感想になっちまった...

それでもフィクションをこんなにも力強く扱えるのは凄いなと思うし、あの時代のハリウッドへの憧憬と、そこにいた人達への尊敬が描かれた素晴らしい映画だった。
Fsuke

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