ベン家の帯

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッドのベン家の帯のレビュー・感想・評価

4.0
舞台は1969年のハリウッド
かつては西部劇のスターだったが落ち目の俳優リック•ダルトン(ディカプリオ)は自信喪失して酒に溺れている。
そんなリックの身の回りの世話をしているのがスタントマンのクリフ•ブース(ブラピ)。
ストーリーは別に面白くもないんだけど、作品としては魅力的。
ディカプリオとブラピのカッコよさは言うまでもないけれど、街並み、看板、小道具、音楽なんかを駆使して当時の雰囲気を感じさせてくれるのが楽しい。
経験したことのない出来事、時代、場所を疑似体験できる映画っていいなぁ。と改めて感じた作品。
ここまでが、1回目見た感想。

▽以下、ネタバレ含む▽
シャロンが出てくる必然性がよくわからなくて調べてみると、シャロン•テート殺害事件というのが元になっている話なのね。
シャロンがヒッピーに襲撃されて亡くなるという事件の背後にはヒッピーの教祖的存在のチャールズ•マンソンがいた。

その予備知識があれば、シャロンが出てくる必然性がわかるし、劇中に突然出てきて謎のまま終わるチャールズの存在が理解できる。
クリフが屋根でアンテナ修理してるところにポランスキー邸を訪ねてきたチャールズ•マンソンの描写とかクリフが牧場のオーナーに会いに行くところとか、やたら不気味な演出してたけど全然理解できてなかった。

予備知識があって始めて成立する映画は不完全だと思ったけど、予備知識は必ず何処かに閾値があるわけで、見る側の理解力に期待して作られた作品は嫌いじゃない。
色んな予備知識を入れて見返すと物凄いこだわりと情報量の映画だとわかって面白かった。

【サウンドトラック1】
Roy HeadのTreat Her Right (1965年)

ノリのいい曲でハリウッドの華やかさやテンションの高い雰囲気を演出する。レザボアといい、パルプフィクションといいタランティーノの映画はオープニングがテンション高くて好き。
https://www.shazam.com/track/5141501/treat-her-right?referrer=share


【サウンドトラック2】
ディープ・パープルのHush (1968年)

シャロンとポランスキーがクラシックカーでプレイボーイマンション(プレイボーイ創刊者が所有するマンションで夜な夜なセレブが集まってパーティしてたらしい)に向かう時計仕掛けのオレンジっぽいカット。
そんなに印象的なシーンでもないけど単純に好きな曲。
https://www.shazam.com/track/57210161/hush?referrer=share

【サウンドトラック3】
ザ・ローリング・ストーンズのアウト・オブ・タイム (1966年)

オープニングのようなエンディングのような雰囲気の曲がクライマックスの夜が始まるシーンにピッタリ。
街のネオンが点灯する“音”がこれから起こる何かを期待させる。
https://www.shazam.com/track/11203619/out-of-time-strings-version?referrer=share

【サウンドトラック4】
ヴァニラ・ファッジのStra (Illusions of My Childhood-Part One) / You Keep Me Hanging on / Wber (Illusions of My Childhood-Part Two) (1968年)

LSD漬タバコでラリったクリフが爆音でかけるラジオから流れてくるのは1966年の the supremesのYou Keep Me Hanging onをヴァニラ・ファッジがカバーした曲。
プログレ感、サイケ感が強い60年代後半らしい名曲に合わせヒッピーをボコボコにしていくクリフと愛犬ブランディ。
https://www.shazam.com/track/2950878/stra-illusions-of-my-childhood-part-one-you-keep-me?referrer=share