悪霊302号室

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッドの悪霊302号室のレビュー・感想・評価

4.7
タランティーノ作品は何本かだけ観たことあるのですが、今まで観た中で一番スッキリと見易い作品に感じた。
絶頂期を過ぎて落ち目なリック・ダルトンの奮起しようとする姿は俳優あるあるとしても面白いし単純に全ての中年に通ずる感情だと思うし、それを支えてくれるクリフの心強さ力強さ男強さ優しさ。ブラピかっこよすぎて笑う。
それらをハリウッドという良い夢も悪い夢も詰まった風景に溶け込ませ絡めていく様は当時も現地もよく知らない私でも楽しく観られたし、史実に即したヒッピーや映画の撮影風景、ドッグフードにマカロニチーズも活き活きと描かれ、それらがそのまま時代の象徴となっていてなんとも見所に尽きない160分。
この二人の珍道中だけでももう一本観たいです。

最大の象徴として描かれるのがシャロン・テートという一人の女性。
事件についてはウィキペディアをサラッと読んだ程度の認識だったんですがそれで十分、この映画の意図する事は汲み取れた。逆に言うとこの一点に関しては概要だけでも知ってる前提の作りになっているかな?
マーゴット・ロビーは単純に可愛くてそれがそのまま配役の意図として活き活きしていて、撮り方も演者もすごく良かったのだろうなあ。
素晴らしいラストだったと思います。
悪霊302号室

悪霊302号室