コクムービー

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッドのコクムービーのレビュー・感想・評価

4.6
凄くオリジナルで最高なリズム。
冗長になるギリギリの、最も心地よいタイミングで拍をとって、滅茶苦茶クールに1969年のハリウッドを描いている。
その絶妙なテンポで、たわいも無い会話と時の流れが最大限に表現され、リックとクリフという2人の人間性が容赦無いほど伝わってくる。

テーマとなるのは、ハリウッドで実際に起こった黒い歴史。時代の寵児と言われた映画監督、ロマン・ポランスキーの妻である新進女優のシャロン・テートが、狂信的カルト指導者チャールズ・マンソンの信奉者に殺害された事件。
その史実に絡んでいくのが、かつて西部劇で一世を風靡したTVスターのリックと、彼のスタントマンであるクリフという最高の2人組。
このノンフィクションである事件とフィクションの存在が、混ざる瞬間はたまらない。

快適で心地よく、最高に幸せな160分映画の旅。