あかり

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッドのあかりのレビュー・感想・評価

4.7
映画への愛に溢れた映画でした。

シャロンテート事件だけ予習して行きました。タランティーノ監督作品は1つしか観れてないし、少しは予習しなきゃな~と軽い気持ちでまとめ記事を読み始め、読み終わる頃にはなんとも言えない悲しみに包まれ、この結末を迎える映画をどんな気持ちで観たらいいのか分からなくなりました。

淡々と進んでいくハリウッドの日常を登場人物の足元から頭まで丁寧に映し描かれていたのが私にとっては心地よく、長い上映時間にも関わらず楽に観れた気がします。現ハリウッドの2大スター、レオ様にブラピが落ちぶれた俳優とそのスタントマンを演じているのはまた新鮮味があるというか、実際この中の人たちもこういう世界に身を置いているんだな、と現実感が増しました。

もちろん淡々と進む日常だけでなく、所々に差し込まれるヒッピーのシーンは不気味な空気感が凄まじかったし、ヒッピーたちのたまり場に乗り込むシーンは背筋凍る思いでスクリーンを見つめていました。

そしてラスト15分。これぞタランティーノ。いやぁ、もう、最高すぎて笑いが止まらなくなってしまいました。別にバイオレンスシーンが特別好きな訳でもないし、でも、なんでしょう、あの感じ。今までの伏線が綺麗に爆発していく感じで、あっという間に終わってしまいました。

これは実際に起こった出来事を元としていますがフィクションです。映画です。それでもなにかが救われた気がして、歴史が本当に変わった気がして、少しだけポロッと泣きました。

いやぁ、よかった。もっと当時のハリウッドとか映画とかドラマとか知ってれば楽しいんでしょうけど、知識のない私でも十分に楽しむことが出来たので大満足です。10年後くらいに、もっと知識を持った状態で観るとまた違った見方ができるのでしょうか。何年経ってもきっとこの映画は楽しめる気がする。
あかり

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