ギクシャクする夫婦関係も、平凡な教授の仕事も、社会に抑圧されて生きてきた男が余命宣告を受けて、好きなように生きる話。
余命宣告を受けて自暴自棄になるだけかと思いきや、娘を大切にする姿や、最後に生徒に向けた言葉には胸打たれた。
ラストシーン。左右の舗装された道ではなく、敢えて直進を選ぶ。生きていると決められた中で、妥協の末、どちらかを選択させられることが多いが、今を生きる大切さを学んだ彼だからこそ、何者に負けることなく、真ん中を選べたのだと解釈できる。
死をテーマにしているが重くなりすぎず、かなり良作であった。