このレビューはネタバレを含みます
主人公はタイトルから想像させられる通り、リチャード。
この映画はリチャードが医師から死の宣告を受けたところから始まる。
死の宣告を受けた人間がどういう思考と行動、発言をするのか、ということをテーマにした映画である。
で、この映画は「宣告を受ける前」のリチャードがどういう感じに過ごしていたか、という感じの映像はでてこない。
宣告を受けたあとの会話の流れによってリチャードがそれ以前はどういう形で日常をすごしていたか想像させる。
私は個人的に、ストーリーで表現されていない部分を想像するのが好きなので、宣告前のリチャードがどういう感じで日々すごしていたか想像しながら見ていくのが楽しかったです。
ストーリー序盤はリチャードがストレスを感じながらも普段我慢していたことであろうこと、破天荒な行動や発言にでる。ただ後半に向けてリチャードはだんだん穏やかになっていってる感じがした。そしてストーリー最後半には、
哲学者か詩人のように奥さんや娘さんに対して語りかける。
ちなみに、リチャードが最終的に旅にでるのは今まで奥さんや娘さんを大切にできていなかった贖罪の意味があった、とエンディングをみる前まではそう思いました。
彼はおそらく、良い人間、すばらしい人間を「できた」と思う。
というはエンディング最後のシーン、リチャードはクルマで2つの分かれ道に到着するが、彼は2つの道どちらも選択せずに正面の道がないところを笑い声を上げながらクルマで突っ切る。
これ、何の意味があったかというと私の解釈では破天荒に戻った、ということだと思っています。
妻の前、娘の前で、リチャードは自分が亡くなる前の良い旦那、良い父親を演じたんだと思う。
彼はやりたいように生きていく。
息を引き取るその瞬間まで。