ジョジー

エンジェル、見えない恋人のジョジーのレビュー・感想・評価

エンジェル、見えない恋人(2016年製作の映画)
4.3
ファンタジックでロマンティック、そしてちょっぴりエロティックな美しいラブストーリーでした。
姿の見えない少年エンジェルと盲目の少女マドレーヌ。そんなふたりだからこそ、こんな美しい出会いが生まれたのかな。マドレーヌは目が見えない分、気配や声、そして匂いでエンジェルの存在を追います。
ふたりにとって孤独だった世界が、この出会いで変わっていくのですが、マドレーヌが視力回復の手術を受けることになり、エンジェルの心に生まれた葛藤を思うと胸が苦しくなりました。
出会い、そしてしばしの別れ、再会… ごくごく静かに流れる時間なのですが、美しい映像とその先のストーリーが知りたくて、目を離すことができなかったです。
マドレーヌを演じるのは、幼少期、思春期、成人と3人の女優さんなんですが、同じ人物と言われても違和感が全然ないのがすごい! そして、3人とも透明感があって美しく、木漏れ日の中で彼女たちも透けてしまいそうでした。
はっとしたことがあります。エンジェルは声だけの出演だったんだと。それくらい存在感が大きかったのかな。彼が物語の語りをしているというのもあって、見えなくても心の動きははっきりと伝わってきます。
“何故?”というところがないと言えば嘘になりますが、そんな気持ちはお伽噺には不必要! ピュアな気持ちで観るのが一番です。
自分はここにいるのだと感じさせてくれる。そんな人がそばにいてくれるだけで幸せを感じられるのかも。お互いに見えていても、ここにいないかのような存在になってしまうこともありますからね(個人的なことでした・笑)
観終わってからもまだ、夢の中にいるような素敵な映画でした。
ジョジー

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