たく

エンジェル、見えない恋人のたくのレビュー・感想・評価

エンジェル、見えない恋人(2016年製作の映画)
4.0
いやーなんて綺麗な映画!
映像の柔らかい感じが’60〜70年代の作品観てるみたいだった。
愛は障害を乗り越えられるかっていう寓話みたいな話だね。

冒頭のモヤモヤした映像が母親の子宮の中から外界を感じてるみたいに始まるちょっと不気味な導入。
なぜか透明な赤ちゃんが生まれてきて、まるで実在するように接する母親の異様な感じにここは精神病院で赤ちゃんは単なる母親の妄想なのか?って勘ぐっちゃうんだけど、どうもそうではないらしいと分かってくる。

エンジェルと名付けられたその男の子のしつこいくらいの一人称カメラでずっと進んでいって、盲目の美少女と出会うところから真実の愛の話になってくるのね。
エンジェルがシーツ被ってるシーンが「ア・ゴースト・ストーリー」思い出す。まばたきしたり涙で目が曇ったりするのをちゃんと画面で見せてるのが良いね。

透明と盲目ならお互い障害を背負ってるから対等だけど、もし片方が克服されちゃったらそれでも愛せるの?っていうことだよね。
79分の短い時間で心が癒される小品だった。
たく

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