モデル道徳市なんて気持ち悪りぃ。
舞台の山城市はそんなことなくて人間らしくて好きになる。
何よりも三島由紀夫本人が出てくる。最初と最後おそらく10秒くらいなのだが、1番印象的だ。というより、本編が誰が何をしているかは理解できる、しかし全体を通して何がいいたいのかは上手く掴めなかったが、三島の語りのおかげで三島の画力でスッと全体を丸め込む爽快感は味わえた。
道徳とはなんなのか考えたくなる。主人公はもちろん、登場人物は皆不道徳に描かれる。しかし、観客の私たち視点ではそうだが、普通に見たら道徳的な人だらけ。みんなそれぞれ、檻の中にはずっとはいられないのだろう。入ったり出たりの繰り返し。それが人生なのか。
いろんな側面からでも檻の例えは語れるが、道徳に限るなら、いかに周りから見られないように檻から出るかが重要なのかもしれない。
それとも、歳取ったり、檻の外を知ったら、皆同じように檻の中に篭りたくなるのか。